大正11年の創業以来、上下水道および道路の整備に不可欠なコンクリート管の提供を通じて、20世紀のわが国における基盤づくりの一翼を担ってきた中川ヒューム管工業(株)。21世紀においても、豊かな環境づくりを目指し、業界をリードする技術革新や新製品開発に挑戦する企業だ。

 ヒューム管という言葉は一般には聞き慣れないが、遠心力を利用してコンクリートの強度を高めた鉄筋コンクリート管。同社は長い歴史に培われたノウハウと独自の技術を駆使し、宅地造成や道路の雨水排水、上下水道の配管、マンホール用途にと、それぞれに最適なコンクリート製品を世に送り出している。
   近年、製品開発のテーマとなっているのは高度な耐震設計と、施工の合理化。特に耐震性については、阪神大震災以来、各メーカーで開発が進んでいるが、同社はすでに業界に先駆けた製品を供給している。

 「当社が開発したCSB(遠心成形高強度パイプカルバート)は、従来の丸形の管に強度を上げたコンクリートを加え四角形の管にしたもの。遠心力成形で管と基礎を一体化させたもので、現場での施工を省力化し、工期短縮を実現します」と語るのは湯原工場長。

 また、地震などによる衝撃で、下水道管とマンホールとの接続部分が断裂するのを防ぐため、あらかじめ外力を逃がす構造のクッション材をヒューム管の可とう部(曲がる部分)に埋め込むなど、ユニホールと呼ばれる組立マンホールにも設計段階から工夫がこらされている。

 さらに、これまでマンホールの施工ではシートパイルという鉄板を打ち込み、土を掘り出してからマンホールを打ち込んでいく工法が取られてきたが、同社ではマンホール自体を回転させながら地中に埋める工法を開発。現場で溶接を行いながら任意のマンホールの深さに対応できる。そして、従来10cmだったコンクリートの厚みを半分の5cmで同程度の強度を実現させた高度な遠心力製法で、重量を半減。施工時の負担を大幅に削減した。
 
 
 「競合が激化する今、コストダウンや性能ニーズを満たす製品を生み出すのは、私たちメーカーの使命。TCMのACROBAも、これまでにない発想の特徴を打ち出したフォークリフトだと思いました。真横に走る、その場で旋回といった機能は画期的ですね。当社の場合、工場が広いので、それほど小回り性を要求してはいないのですが、シートが回る機能は、オペレーターの疲労軽減につながると思い、導入することにしました。それに、コンクリート製品メーカーも広い敷地を保有して商売する時代じゃなくなるかもしれない。いずれは、保管場所や通路のスペースに制限がある環境で仕事をする時代が来ると思い、使ってみる価値があると思いました」

  ACROBAが使われているのは、マンホールの加工を担当するユニホール班。保管場所からのマンホールの移動や、トラックへの積み込みに活躍している。
   「屋外は砕石路面なので、これまでのフォークリフトはダブルタイヤで安全性を確保していましたが、ACROBAは2×2HSTでシングルタイヤでも空転の心配がないのもいいですね」と中嶋課長。

 ユニホール班でACROBAのオペレーターを務める川崎副班長は、「その場で旋回する機能が便利。方向転換が楽になりました」との感想。

 さらに、湯原工場長は「ACROBAは既存のフォークリフトにはない、はっきりした特徴をもつ説得力のある新製品。導入によって現場に刺激を与え、社員たちを活気づけることにつながるという思いもありました」と、意外なもう一つの動機も教えてくださった。

 同社の企業理念は、「最大の企業足らずとも最良の企業たるを期す」。製品開発にかける強い意気込みと 実績を誇る同社が、ACROBAの開発姿勢を少しでも認めてくださったのであれば、これほど光栄なことはない。
 
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